月経困難症治療剤 ジェミーナ®配合錠
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月経困難症を対象とした国内第III相長期投与比較試験の方法1)

目的 プラセボ対照の二重盲検比較試験により月経困難症患者に対するジェミーナ配合錠の有効性を検証するとともに、長期投与時(1年間)の安全性及び有効性を検討する。
対象 以下のすべての条件を満たした月経困難症患者248例
(1)
同意取得時に16歳以上の外来患者
(2)
月経周期が28±3日間の患者
(3)
器質性月経困難症又は機能性月経困難症と診断された患者
    【器質性月経困難症】
  • 開腹又は腹腔鏡検査により子宮内膜症又は子宮腺筋症と確定診断された患者
  • 経腟超音波検査(仮登録時及び本登録時)により、子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞を認める)、子宮腺筋症又は子宮筋腫と診断された患者
    【機能性月経困難症】
  • 問診、内診及び経腟超音波検査(仮登録時及び本登録時)により、器質的疾患が否定された患者
(4)
月経困難症スコア合計が3点以上の患者
月経困難症スコア合計は、月経困難症の程度と鎮痛薬の使用のスコアの合計とした。なお、月経困難症は来院直前の月経時の痛みとした。

月経困難症スコア2,3)
  程度 内容 月経困難症スコア
月経困難症の程度 なし なし 0
軽度 仕事(学業・家事)に若干の支障あり 1
中等度 横になって休憩したくなるほど仕事(学業・家事)への支障をきたす 2
重度 1日以上寝込み、仕事(学業・家事)ができない 3
鎮痛薬の使用 なし なし 0
軽度 直前(あるいは現在)の月経期間中に、鎮痛薬を1日使用した 1
中等度 直前(あるいは現在)の月経期間中に、鎮痛薬を2日使用した 2
重度 直前(あるいは現在)の月経期間中に、鎮痛薬を3日以上使用した 3

(5)
治験期間中、妊娠を希望しない患者
デザイン 多施設共同二重盲検無作為化群間比較試験
スケジュール 本試験は、症例登録及び事前検査を-2周期~-1周期、ランダム化を-1周期に行い、治験薬投与期間1周期~13周期及び治験薬投与終了後2周期の観察期間で構成された。
対象を周期投与群、連続投与※※群、プラセボ群の3群にランダムに割り付け、治験薬1日1錠を毎日一定の時刻に28日間連続経口投与した。
以上28日間を投与1周期とし、出血終了の有無にかかわらず、29日目から次の周期の治験薬を投与した。
なお、投与1周期目の投与開始時期は、月経3日目とするが、±2日間の幅を認めた。
  • 周期投与群:[実薬21日+プラセボ7日]×13回
  • 連続投与※※群:[実薬28日+実薬28日+実薬21日+プラセボ7日]×4回+[実薬21日+プラセボ7日]×1回
  • プラセボ群:プラセボ28日×4回+[実薬21日+プラセボ7日]×9回
実薬:ジェミーナ配合錠

 















治験薬投与周期 ジェミーナ配合錠 プラセボ群
周期投与 連続投与※※







1周期 N21 N28 P28
P7
2周期 N21 N28 P28
P7
3周期 N21 N21 P28
P7 P7
  4周期 N21 N28 P28
P7
5周期 N21 N28 N21
P7 P7
6周期 N21 N21 N21
P7 P7 P7
7周期 N21 N28 N21
P7 P7
8周期 N21 N28 N21
P7 P7
9周期 N21 N21 N21
P7 P7 P7
10周期 N21 N28 N21
P7 P7
11周期 N21 N28 N21
P7 P7
12周期 N21 N21 N21
P7 P7 P7
13周期 N21 N21 N21
P7 P7 P7
N:ジェミーナ配合錠 P:プラセボ
主要
評価項目
月経困難症スコア合計の投与開始前(-1周期)から3周期(1~3周期)までの変化量
副次
評価項目
  • 月経困難症に対するVAS(Visual analogue scale)の投与開始前から3周期(1~3周期)までの変化量
  • 子宮内膜の厚さの投与開始前から投与3周期までの変化量
    [器質性月経困難症に対する検討]
  • 月経時以外の骨盤痛に対するVASの投与開始前から3周期(0~2周期)までの変化量
    [周期投与群及び連続投与※※群の比較]
  • 月経困難症スコア合計の投与開始前から3周期ごとの変化量
  • 月経困難症に対するVASの投与開始前から3周期ごとの変化量
    [周期投与群及び連続投与※※群の比較:器質性月経困難症に対する検討]
  • 月経時以外の骨盤痛に対するVASの投与開始前から3周期ごとの変化量
  • ダグラス窩の硬結の経時的変化
  • 子宮可動性の制限の経時的変化
  • 卵巣チョコレート嚢胞の大きさの経時的変化
  • 血清CA125濃度の経時的変化 等
安全性
評価項目
有害事象及び副作用、臨床検査値、体重、血圧、子宮の大きさ、性器出血状況
解析方法 [主要評価項目]
周期投与群及び連続投与※※群とプラセボ群との差を投与群と観察周期の交互作用を固定効果、被験者を変量効果とし、相関構造にCompound Symmetryを仮定した混合効果モデルにより比較するとともに、月経困難症スコア合計と変化量の95%信頼区間を求めた(有意水準:両側5%)。また、ベースラインからの変化についてモデル推定値等を用いてグラフ表示により検討し、参考までに混合効果モデルによる群内比較及びt検定によるプラセボとの群間比較を行い、シミュレーション法により検定の多重性を調整した。
[副次評価項目]
主要評価項目と同様の混合効果モデルにより比較した。

主要評価項目及び副次評価項目ともにFASを対象とし、主要評価項目についてはPPSを対象とした解析を参考として実施した。主要評価項目の解析では欠測値の補完は行わなかった。

FAS(Full Analysis Set):登録症例から、不適格症例、治験薬未投与及び治験薬投与開始後の有効性に関する情報が得られなかった症例を除いた最大の解析対象集団
PPS(Per Protocol Set):投与開始後における重大な治験実施計画書違反例を除いた症例から構成される有効性評価が可能な集団


[部分集団解析]
主要評価項目について、混合効果モデルを用いて因子別の部分集団解析を行った。
因子としては、年齢(30歳未満/30歳以上)、体重(50.0㎏未満/50.0㎏以上)、月経困難症スコア合計(3点・4点/5点・6点)、月経困難症の診断(機能性/器質性)を用いた。

※周期投与:21日投与7日休薬  ※※連続投与:77日投与7日休薬

  • 1) 社内資料:第Ⅲ相長期投与試験-無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験(2018年7月2日承認、申請資料概要2.7.6.2)
  • 2) Harada T, et al. Fertil Steril. 2008; 90(5): 1583-1588.
  • 3) Harada T, et al. Fertil Steril. 2011; 95(6): 1928-1931.

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